15トン積有蓋車
21000〜21999(1000輌)
ワム20000形で一応の解決を見た鉄側有蓋車であったが、外板と木製内張りが接触していたため、ヒートインシュレーションに余裕がなかった。そこで、外板と内張りに間隔を取り、空気層を設けると共に、これによる実容積減少を避けるため車幅拡大を行なった形式がワム21000形である。本形式にて鋼製有蓋車の構造は確立し、鉄側有蓋車は命脈を絶たれることとなった。
ワム21000形は、昭和4・5(1929・30)年に車輌メーカー各社で製作された。外板と内張りの間隔は、側柱を外板の内側に設置することで実現させ、これによりフラッシュな外観も得た。引戸のダブルY字補強が特徴で、開口幅もワム20000形から300mm強拡大されている。
昭和42・43(1967・68)年には無事2段リンク化改造が行われたが、昭和40(1965)年代後半から急激にその数を減らし、昭和59(1984)年度に全車廃車になった。
【輌数表】 ワム21000形 D:筒井俊之 (横軸は西暦年、縦軸は輌数で対数的表示)
【写真】 ワム21000形21026 昭和53(1978)年1月 宮津 P:筒井俊之
何と言ってもワム21000形の特徴は、ダブルY字補強の引戸である。
【諸元】 ワム21000形
自重 | 10.0〜10.5トン |
軸距 | 3900mm |
車軸 | 12t長軸 |
走り装置 | 1段リンク→2段リンク |
制動装置 | KC・側片 |
緩衝装置 | 丙種 |
連結器 | 柴田式上作用 |
【形式図】 ワム21000形 S:奥井淳司 【奥井さんからスキャンデータを提供して頂きました】
2003/08/03:新作